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北朝鮮はいつまで「良い子」でいられるか(辺 真一)

昨日、岡山で「心の国際化をめざして~人権感覚豊かな社会実現をめざして」との演題で、矢掛の町民を対象に講演を行った。

約1時間半の講演時間で「北朝鮮問題」に触れたのは最後の5~6分程度。核やミサイルの問題等については全く触れなかった。イージス艦やパトリオットの配備などで大騒動となった「4月13日」以来、北朝鮮がおとなしくしていることも理由の一つだ。

北朝鮮が「良い子」になっている原因の一つは中国の説得にあるとの見方が広まっている。

昨日、外務省の杉山アジア大洋州局長は、中国の武大偉北朝鮮問題特別代表と会談し、北朝鮮の挑発行為を防ぐ中国側の努力を評価していた。杉山晋輔アジア大洋州局長によると「中国が相当程度努力をされた。そして、今のような状況になっている」とのことだ。

韓国のメディアも中国の梁光烈国防相が先月訪中した韓国側関係者との面談で「(中国は)北朝鮮の新たな核実験やいかなる挑発も容認できない」との見解を示したとして大きく伝えていた。裏でミサイル発射台を提供しておきながら、反対とは俄かに信じがたいが、核実験だけは自制するよう説得していることは間違いないだろう。

梁国防相はさらに、金正恩労働党第1書記の動向について「過去の金日成主席、金正日総書記の時代より、正恩氏が(南北関係について)中国の助言に耳を傾けるだろう」と語ったとのことだ。そして、金正恩労働党第1書記の動向について「最近、正恩氏が意外にも経済に没頭し、側近たちは開放、経済政策に集中している」と語ったそうだ。

これが本当ならば歓迎だ。「問題児」とならず、誰もが望む開放、経済に舵を切るならば、しめたもんだ。しかし、現実はどうか?

北朝鮮が2006年10月に初の核実験に踏み切った際、中国の唐家璇特使一行が二度目の核実験を思いとどませるため訪朝した。ところが、帰国した直後の22日の労働新聞は「大国の顔をうかがったり、大国の圧力や干渉を受け入れるのは時代主義の表れである。干渉を受け入れ、他人の指揮棒によって動けば、自主権を持った国とは言えない。真の独立国家とは言えない」との論評を載せていた。そして、3年後の2009年4月にテポドン(衛星)発射と二度目の核実験を4月から5月にかけて強行している。

この時も、核実験直後に訪中した韓国の李相憙長官との会談で梁光烈国防相は「中国は北朝鮮の核開発を強く反対する。北朝鮮は状況を悪化させるいかなる行動もしてはならない」と、今と同じように北朝鮮に釘を刺す発言をしていた。

ところが、北朝鮮は労働新聞で「大国がやっていることを小国はやってはならないとする大国主義的見解、小国は大国に無条件服従すべきとの支配主義的論理を認めないし、受け入れないのが我が人民だ」と真っ向から反論し、国連による非難決議が採択された際には中国を「米国にへつらう追随勢力」との烙印を押す始末だ。そしてそれから3年後の今年4月に北朝鮮は再び人工衛星と称してテポドンを発射した。

昨日の労働新聞は「先軍政治は最後の勝利の強力な保険」と題する論評を掲げ「砂糖はなくても生きられるが、銃弾がなければ生きられないというのが哲理である」として「先軍は我が生命である」とまで言い切っていた。

北朝鮮は「宇宙開発を継続する」として衛星(ミサイル)の発射も「米国の敵視政策が続く限り核抑止力を強化する」として核開発の継続も宣言している。

北朝鮮はこのままおとなしくいられるだろうか?