上杉隆の「ニッポンの問題点」【みんなの哲学】いまこそ鴨長明を読む。800年前のしくじりジャーナリストはいかに生きたか?
大地震、津波、悪政、パンデミック、噴火、戦争……。
この10年余り、日本は多くの災害に見舞われた。時代の変わり目なのか、あ
るいは「終わりの始まり」なのか、それは誰にもわからない。ただ、不幸な
時代の事象を反映するように、いま日本では終末論が蔓延り、予言や都市伝
説の類が溢れている。
こんな時代だからこそ鴨長明である。
鴨長明?誰それ?と思うかもしれない。また、『枕草子』(清少納言)、
『徒然草』(吉田兼好)と並ぶ日本三大随筆のひとつ『方丈記』の作者だと
とまでは知っているが、どのような人物かまでは知らないという方もいるの
ではないだろうか。