四度のグランドスラマーでもあるテニス選手の大坂なおみさんが自身のイン
スタグラムで妊娠を発表した。素晴らしいことだ。誰であれ、幸せになる権
利はある。新しい命と美しい決断にまずは祝福を贈りたい。
Can't wait to get back on the court but here's a little life update
for 2023.
(また試合に戻るのが待ちきれないんだけど、実は、今年、小さな命が誕生
するの)
発表した文面によれば、今年いっぱい競技を休み、出産と育児に専念すると
いう。かつて二勝している全豪オープンへの欠場については、来年の出場を
約束し、批判的な報道を繰り返しているマスコミの口を一瞬で封じ込めた。
アスリートのみならず、有名人の妊娠や出産については興味本位の報道が少
なくない。これまでのように母となる彼女がそのターゲットとならないこと
を祈る。
とりわけ、いまだ古い慣習を引きずる日本社会の対応が心配だ。戸籍制度と
いう世界でも類を見ない前近代的な管理システムで、個人(とくに女性)を
管理する日本においては、自由な妊娠や出産は「悪」であるという認識がま
かり通っている。