上杉隆の「ニッポンの問題点」【新潟へ~ジャーナリズム最後の旅 その1】
久しぶりに記者会見に臨んだ。新潟県庁の記者クラブで、「にいがた経済新聞」の石塚健社長とともに、編集主幹の就任会見を
行なった。
何を隠そう、新聞社の編集主幹への就任は、若き日の夢のひとつだった。組織ジャーナリズムの頂点、とりわけ新聞の編集トッ
プは、自由な言論を守る砦の役割を果たす重責だと考えていた。
米ウォーターゲート事件における『ワシントン・ポスト』紙の劇的なスクープでは、ウッドワードやバーンスタインら二人の若
き現場の記者に注目が集まった。彼らはスターだった。ジャーナリズム界における圧倒的ヒーローだった。しかし、当時の私は、
彼らではなく、老練な編集主幹のブラッドリーの存在に惹かれたものだった。