二重構造の石原人脈(2)
裕次郎と遊んだ高校時代も、今岡などの秘書たちと競った若きころも、高橋
などの一橋同級生と向かった地中海クルーズも、五島と知己になったきっかけ
も、すべてはヨットという道具が関係していた。昨年、筆者とのインタビュー
で石原は次のように明かしている。
「ぼくの政治スタイルは、多くの艇がギリギリのところで勝負してくる国際ヨ
ットレースの駆け引きや真剣勝負が、その原点になっているな」
石原にとってヨット経験は、側近の秘書などをクルーに見立て、自身は、職
員19万人を擁する都庁という巨大組織の舵取りにあたるスキッパー役として、
活きているいるのではないか。