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日ロ国交回復60周年の節目に領土問題に進展はあるのか(2)

今回は2005年11月25日号の「週刊朝日」に掲載の「北方領土問題」に関する 上杉の記事をご紹介します。(文中の肩書は当時のまま) だが、そのロシア国内は今、ソ連時代の独裁国家に逆戻りしたかのような政 治状況にある。それは強いロシア帝国の復興を目指すプーチンその人がつくり 出した状況だ。一方で、そうした強い政治力を持つ大統領だからこそ、外交政 策でも思い切った行動がとれるというのも事実である。鈴木議員は、領土問題 に関してプーチン大統領は何度も日本にメッセージを送っていると証言する。 「一貫してシグナルを送っているんですよ。たとえば昨年11月、テレビのイン タビューでのラブロフ外務大臣の『1956年の日ソ共同宣言において、われわれ は、日本にクリル諸島の2つの南の島々を与え、それで終止符を打つことに合 意した。当時はさまざまな要因で実現されなかった』との発言を受けて、プー チン大統領は翌日の閣議で、ラブロフ外務大臣にこう言ったのです。『私はき のう、あなたのインタビューを見た。とてもよい。われわれの対外政策上の優 先順位について、カードを提示したことに感謝する』と」
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