東京オリンピック招致構想の立役者(3)
2015年9月発売の「悪いのは誰だ!新国立競技場」よりご紹介いたします。
では、なぜ敗訴したのか。
判決のなかでただ一つ都側の主張が認められなかったのは、3%に設定した税率だった。これにより税負担の不均衝を招き、敗訴につながった。従来の所得基準の税額と、銀行税の税額との差は最大で実に3600倍超。これが、外形標準課税が無効とされた最大の理由である。
ただ、都からすれば控訴審判決は、想定内のものであった。一審で敗訴した後、大塚のもとには地方税訴訟のスペシャリストたちを集めた“タスクフォース”が組織された。控訴審前には綿密なシュミレーションが繰り返され、負ける可能性があるとすれば「税負担の不均衝」の部分だけであることは織り込み済みだったのである。