「外形標準課税」と保秘の人
今回のメルマガは報道ライブ「ニューズ・オプエド」にて紹介し、反響が大きかった『石原慎太郎「5人の参謀」』より一部抜粋してご紹介します。
最終原案は年明けに固まった。それまでの数カ月間、都知事、2人の特別秘書、主税局長の4人は不安と緊張の入り混じった奇妙な興奮を楽しんでいた。
彼らは、何かを隠しているという不思議な連帯感と、輝かしい未来が待っているのだという自信に満ちた快感で結ばれていた。まもなく「国に一泡」吹かせてやれるのだ。誰もが驚くに違いない。そして誰もが彼らを無視できなくなるはずだ。
一方で機密漏洩の不安は、終始この4人の心につきまとった。みな神経質になっていた。それはほとんど、疑心暗鬼の一歩手前であった。情報漏れは絶対に許されなかった。