オリンピックと商業主義
著者:小川勝
出版社:集英社
価格:¥799
入場料収入(個人の金)よりもテレビ放送権料と公式スポンサーの協賛金(企業の金)の割合が上回り、「商業主義」に走ったとされる84年ロス大会で、黒字が出たのは「商業化」の結果ではなく、支出を減らしたからと総括する。その後のIOC(国際オリンピック委員会)のマーケティング、放送権料の急騰、大会の肥大化なども詳しく検討した本書は、「オリンピック商業化」の過去の歴史を詳しく教えてくれる。
では、未来のオリンピックは、どうなるのか?12年ロンドン大会で、BBC(英国放送協会)は3D中継やネットTVによる全競技中継を行い、IOCは「アスリート・ハブ」と題したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を開始した。このようなデジタル映像、ソーシャルメディアがさらに発展するに違いない2020年、二度目の五輪招致を企図する東京は、どんな大会を目指すのか?
*『「黒人選手」は本当に速くて強いのか!?~スポーツと五輪の過去・現在・未来を「読書」で考える』(玉木正之)参照