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2016年12月13日
「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」 (163) “トーキョー”の前に、“ピョンチャン”あり! 2018年冬季パラまで、あと15カ月!
リオパラリンピックが終わり、「さあ、次は2020年東京!」といった雰囲気ですが、ちょっとお待ちください! その前に韓国で行われる、2018年ピョンチャン冬季パラリンピックがあります。開幕(3月9日)まで、あと15カ月となりました。ピョンチャン大会への予選も含め、すでに冬の競技も本格的にシーズンインしていますので、今号ではそんな冬季競技の話題をお届けします。

まず、現在進行形の競技から。先週末の12月9日、国際パラリンピック委員会(IPC)が主催する、ノルディックスキーのワールドカップ(ワールド杯)第1戦がフィンランド・ボッカティで開幕。日本からはクロスカントリースキーとバイアスロン競技に8選手が参戦しています。

そして、なんと初日から朗報が! クロスカントリースキーのスプリント・クラシカル(立位・視覚男女1.2km/座位0.8km)が行われ、女子立位の部で阿部友里香選手(LW6/片腕障害=日立ソリューションズJSC・大東文化大学)が金メダルを獲得しました。

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写真_award_abe: 表彰式を終え、金メダルを首に笑顔を見せる阿部友里香選手(中央)/写真提供:NPO法人日本障害者スキー連盟

日立ソリューションズジュニアスキークラブ所属の阿部選手は現在、大東文化大学に通う21歳で、14年にはソチ大会にも初出場。ピョンチャンに向け、順調に成長中です。

阿部選手は日本障害者スキー連盟を通じ、「今シーズン重点を置いているクラシカル・スプリントで1番を取れたことは自分自身ビックリしていますし、素直に嬉しいです。オフシーズンに取り組んできたことを出し切れたレースでした。予選から決勝まで滑る板を作ってくれたワックスマン、コース内で応援してくれたスタッフのみなさんのおかげです。日本の皆さんの応援ありがとうございます」と喜びのコメント。

男子では、バンクーバーパラリンピック金メダリストの新田佳浩選手(LW8:片腕障害=日立ソリューションズ)が4位に入っています。1998年長野大会に高校生で出場以来、5大会連続出場のベテランですが、6大会目となるピョンチャン目指し、夏場の肉体改造を経て、今なお進化中です。

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写真_NittaYoshihiro:  新田佳浩選手の5位入賞の力走/写真提供:NPO法人日本障害者スキー連盟

また、2日目のバイアスロン・スプリント(立位・視覚男女7.5km)でも、女子立位の部で、出来島桃子選手(LW6:片腕障害=新発田市役所)が5位入賞。「今シーズンのバイアスロンの初戦でした。射撃については練習通りできたと思います。この後のレースでは、滑りについても、今日より良くなるように頑張りたい」とコメントした出来島選手も、06年トリノ大会から3大会連続パラリンピアンのベテランです。

IPCワールド杯第1戦は16日(金)まで続きます。日本人選手たちのさらなる健闘にエールを!

さて、ここで、ノルディックスキーの今季スケジュールにも触れておきましょう。1月にはウクライナでワールド杯第2戦(1月13日~20日)、2月にはドイツでIPC世界選手権(2月11日~19日)と大会がつづき、3月にはワールド杯第3戦が10日から15日まで韓国ピョンチャンで開かれます。パラリンピックのプレ大会でもあり、18年の本番に向け、会場をチェックする大切な機会にもなります。

そして、3月18日から始まるワールド杯最終戦は初めて、北海道札幌市での開催(22日まで)が決まっています。パラリンピック前年の世界王者が決まる重要な戦いを間近に見る大チャンスです! 札幌市では2月に冬季アジア大会も予定されていますね。その熱気が、IPCスキーにも続きますように。

つづいては、先日、大きな戦いが終わったばかりの、アイススレッジホッケーの話題です。日本代表は10年バンクーバーパラリンピックで銀メダルに輝いたものの、ソチ大会出場を逃し、少し低迷していました。しかし、11月28日から12月3日まで北海道苫小牧市で4カ国が出場して開かれたIPCアイススレッジホッケー世界選手権Bプールで準優勝を果たしました。これにより、来年秋に開催予定の、ピョンチャンパラリンピック最終予選への出場権を獲得したのです。

バンクーバー大会以降、中心選手の引退や選手不足などに苦しんでいた日本代表ですが、ようやく若手選手の成長も見え、復活のきざしです。パラリンピック最終予選は日本を含む、6カ国で3枚のピョンチャン行き切符を争うことになります。一層の奮起に期待しましょう。

最後に、アルペンスキー競技の大会告知です。IPCワールド杯の日本開催が決まりました。日程は3月5日から7日まで、舞台は長野県白馬村の八方尾根スキー場で、オリンピックコースが使われる予定です。今のところ、立位、座位、視覚障害の3クラスに、16カ国から約100選手が参加の見込みです。日本代表は過去のパラリンピックで、座って滑るチェアスキーの部を中心に多くのメダリストが誕生していますが、白馬大会はそんな世界レベルの迫力満点の滑りを体感するチャンスです。

北風は日に日に冷たくなってきましたが、これからホットな戦いが目白押しのパラリンピック冬季競技。こちらも、ご声援どうぞよろしくお願いします。

(文: 星野恭子)