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2017年01月30日
「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」 (167) ウィルチェアーラグビーの国際大会が19年秋に東京で。ラグビーW杯と世界初の同時開催!
前号でも、日本でパラスポーツの国際大会の開催が増えていることをお伝えしましたが、またまた楽しみな大会の開催が先週、発表されました。ウィルチェアー(車いす)ラグビーの国際大会「ワールドチャレンジ2019」で、開催国日本に加え世界ランキング上位8カ国が東京で激突します。しかも、開催日は2019年10月16日から20日までの5日間で、実は同年9月20日から11月2日には国内で、「ラグビーワールドカップ2019」が開催中の予定です。2つのラグビー世界大会が、同時開催されるのは史上初めてという画期的な大会なのです。



写真: 「ウィルチェアーラグビーワールドチャレンジ2019」の開催が1月25日、東京都内で発表された。ラグビーワールドカップとの同時開催で、「ウィルチェアーラグビーへの注目も高めたい」
 

ウィルチェアーラグビーといえば、先のリオ・パラリンピックで日本チームとして初の銅メダルを獲得し、人気上昇中のチーム球技です。両手足の障害という比較的重度の障害者を対象とした球技ですが、車いす競技として唯一認められている、車いす同士による激しいタックルと、一方で緻密な戦術・戦略にもとづく組織プレイという見どころを合わせ持つ点が大きな魅力。リオ大会の中継などで実際に目や耳にして、ファンになった方も多いのではないでしょうか。ウィルチェアーラグビー日本代表は、地元開催となる20年東京パラリンピックでの金メダル獲得を目指し、すでに始動しています。今回発表された「ワールドチャレンジ」はその前年に東京で開催されますから、強い追い風となることが期待されます。
先日1月25日に都内で行われた開催発表記者会見で、主催者のひとつ、日本ウィルチェアーラグビー連盟は、「ワールドチャレンジは、世界最高峰の戦いを多くの人に見てもらえる大会」と話していましたが、今から本当に楽しみです。というのは、この大会の参加国は、前年の18年8月にシドニーで開催予定の世界選手権の結果にもとづいた最新の世界ランキングによる上位8カ国(開催国日本と7カ国)となっています。さらに大会結果が新たな世界ランキングに反映される予定であり、どの国も最高の状態で大会に臨むことが期待されます。日本チームもホスト国として強い思いで世界の強豪たちに挑んでいくことでしょう。そんな“ガチンコ勝負”が東京で観られるのであり、パラスポーツファンを増やす絶好の機会にもなるはずです。

また、もうひとつの主催者、日本障がい者スポーツ協会によれば、今大会の開催目的として、「共生社会への変革の象徴」を挙げています。今大会は、日本ラグビーフットボール協会やラグビーワールドカップ2019組織委員会の賛同が得られ、ラグビーW杯との同時開催が実現したそうですが、つまり、障害の有無はありますが、同じラグビーという枠で世界中からトップラガーマンが日本に集まり世界一を目指す様子を同時に観戦できる世界初の貴重な機会となるわけです。多様性を認め合う共生社会について考える契機となることも、今大会に期待しているそうです。

会見には、ウィルチェアーラグビー日本代表の池透暢選手と池崎大輔選手が、そして、ラグビー日本代表から田村優選手も同席していました。池崎選手は15年ラグビーW杯イングランド大会での日本チームの活躍に大きな刺激を受けていたと言い、「15年に起こったラグビーの風に乗り、19年には私たちも負けずに世界にアピールしたい。結果にもこだわり、ウィルチェアーラグビーの魅力を一人でも多くの人に伝えたい」と意気込みを語っていました。



写真: 会見には、“2つのラグビー”から選手が参加。左から、ラグビー日本代表・田村優選手、ウィルチェアーラグビー日本代表・池崎大輔選手、同・池透暢選手

 

また、池選手も競技の認知度がまだ低いことを挙げ、リオから帰国後は普及のためイベント参加や学校訪問などにも積極的に取り組んでいるそうで、「19年は『ラグビー』という枠で互いのファンが行き交えるような素晴らしい競技として、世界から認められるような年にしたい」と目標を口にしていました。

一方、田村選手は、池選手や池崎選手がリオで銅メダルを獲得した試合をテレビ観戦していたそうで、「感動しました。ラグビーという同じスポーツだと思うし、勇気をもらった。日本のラグビーが世界で活躍する文化が出来上がっているようで、観ていて嬉しかった」とリオでのウィルチェアーラグビー日本代表の活躍を振り返り、19年に行われる2つの大会に向けては、「日本にも世界にも大きなインパクトを与える最大のチャンスだと思う。お互いに頑張って結果を出したい」と力強くコメントしていました。

19年の大会開催までまだ3年近くありますが、今からワクワク感が高まります。まずは田村選手が所属するサンウルブズも参戦する、国際リーグ戦「スーパーラグビー」が2月23日から開幕しますし、ウィルチェアーラグビー日本代表も3月にはカナダでの国際大会に臨む予定のようです。19年の“2つの日本代表”の活躍を期待して、今から応援していきましょう!






<ウィルチェアーラグビーワールドチャレンジ2019>

■開催期間: 2019年10月16日(水)~10月20日(日)

■会場:    東京体育館

■参加国: 日本を含む世界ランキング上位8カ国

■試合数(予定): 16日~18日 予選リーグ 4チームx2プール 12試合

19日、20日 決勝トーナメント・順位決定戦 6試合

 

(文・写真: 星野恭子)