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2012年12月29日
日ハム大谷選手の『投打二刀流』は現代プロ野球では無理!(玉木 正之)

北海道日本ハム・ファイターズに入団した大谷祥平選手がバッター(遊撃手?)とピッチャーの「二刀流」で、プロに挑むという。が、結論から言えば、それは現代プロ野球で常識的に考えて、無理。ファイターズ得意のPR戦術……というならば、納得できるのだが……。


かつて日本のプロ野球で、打者としても投手としても活躍し、好成績を残した選手は、ほんのわずかしかいない。


●巨人の沢村栄治投手の好敵手といわれた大阪タイガースの景浦将(1936〜43:通算5年:打者=通算2割7分1厘、25本塁打、首位打者、打点王各1回/投手=通算27勝9敗、最優秀防御率1回)


●打撃の神様と言われ、V9巨人の名監督として有名な川上哲治(1938〜58:通算18年:打者=通算3割1分3厘、2351安打、181本塁打、首位打者5回、本塁打王2回、打点王3回/投手=通算4年:11勝9敗)


●中日ドラゴンズの初代ヒーローで監督にもなった西沢道夫(1937〜58:通算20年:打者=通算2割8分6厘、1717安打、212本塁打、首位打者、打点王各1回/投手=通算9年:通算60勝65敗、ノーヒットノーラン1回)


●選手時代は近鉄で活躍、長嶋巨人監督のヘッドコーチも務めた関根潤三(1950〜65:通算16年:打者=通算2割7分9厘、1137安打、59本塁打/投手=通算65勝94敗、防御率3.43、投手でも打者でもオールスター出場)


……と、4人を数えあげる程度なのだ。


アメリカ大リーグには、ベーブ・ルース(1914〜35:通算22年)という最強の「二刀流選手」がいる。彼はヤンキース(1920〜34)の大ホームラン・バッターとして、ホームラン王10回、打点王5回、首位打者1回を獲得し、通算714本塁打(ハンク・アーロンについで2位)を記録した大打者だが、ヤンキースに移籍する前は、ボストン・レッドソックス(1914〜19)で打者・投手の二刀流で活躍。本塁打王2回、打点王1回を獲得すると同時に、通算89勝46敗(ヤンキース時代にも5勝)で、最優秀防御率にも1度輝き、2度にわたって(1916、18)ワールドシリーズでも登板し、3勝0敗、防御率0.87の好成績を残した。


とはいえ、日米の記録とも、ひとことで言えば、「大昔」の大記録。つまり、多くの選手の実力レベルが、今日と較べてかなり低く、少数の突出した実力の持ち主が大活躍をする、言わば「神話の時代」のベースボールでの出来事だったのだ。


もっとも、正式に打者としても投手としても活躍……という二刀流の選手こそ少ないが、「打者としても好成績を残した投手」なら、さらに何人か数えあげることができる。