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この原稿は、『連合通信・生活文化特集』9月号(8月9日発行)の連載コラム「玉木正之のスポーツ博覧会」に書いたものです。
JOC(日本オリンピック委員会)とその意を受けたスポーツ議員連盟は、totoをさらにギャンブルとして拡大し、「スポーツ資金」を集めようとしているようです。
が、それはチョイトオカシイのでは……?ということで、大幅に手を加えて、News-Logにもアップします。御一読下さい。
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今年の7月7日、ロンドン五輪開幕目前のドサクサに紛れて……ということではないと思いたいが、超党派の国会議員によるtoto(スポーツ振興くじ)の「制度改正検討プロジェクトチーム」の初会合が開かれた。
そしてtotoの増収を図るため、プロ野球や大相撲、サッカーのイングランド・プレミアリーグ等にも対象を広げる方針を確認したというのだ。
そのニュースに、私は、思わず、ウ〜ンンン…と唸ってしまった。
19年のラグビーW杯や、20年招致を目指す東京五輪のメイン会場となる国立競技場の建て替えなど、さらなる日本スポーツ界の発展のため、少しでも多くの資金を確保したいのは理解できる。
が、カネさえ集めればいい……というわけではないはずだ。
1998年5月、toto実施の法案審議で、私は賛成の立場から衆議院文教委員会に参考人として出席した。
それはJリーグが、企業チームではなく独立したスポーツチームによるリーグとなることを願ったからだった。
渡邉恒雄氏率いる読売新聞は、Jリーグをその発足時(1993年)以来、プロ野球のような「企業チームの組織」にしようと企図し、各チームを都市名ではなく、企業名で呼ぶことを実践し続けた。
そのようなスポーツの利益よりも親会社の利益を目指す勢力の力に、いつ押されてしまうかもしれないという危険性を孕んでいたJリーグにとって、totoは「強い味方」ということができた。
なぜなら、商品を買う側と売る側、宣伝する側とされる側など、利害関係の絡む親会社がチームを「所有」している場合(企業スポーツの場合)、純粋なtoto(スポーツ振興くじ=公正な立場での賭け)が成立しなくなる(「八百長」の疑いがかかってしまう)。
幸いJリーグは、その後、渡邉恒雄氏と読売新聞社の目論見から逃れ、totoが成立し、totoを継続しうる独立したスポーツチームのリーグ戦として成長した。