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2012年08月30日
パラリンピックは誰のものか(2)(大貫 康雄)

〈パラリンピックの問題点〉


IPCとIOCとの関係が密になるに連れ、障害者のリハビリや生きがいの向上、という福祉の性格だけでなくスポーツ性本格的な競技の側面も顕著になっていく。


(日本ではIOCの加盟団体JOCはスポーツ行政に関わる文部科学省の管轄団体であり、IPCの加盟団体であるJPCのある日本障害者スポーツ協会は障害者福祉行政に関わる厚生労働省の管轄となっている。それぞれに官僚出身者が常勤役員となっているのが極めて日本的だが)


IOCとの関係が強まり社会の認知度が高くなる、という光の面が出る一方で、障害者スポーツの影の側面も明確になる。


いくつもメダルを獲得する有力選手はスターとなって社会の脚光を浴び、企業のスポンサーも付いて経済面でも豊かになり、人生が一変する。


一方で、シドニー大会では知的障害者の男子バスケットボールで金メダル獲得のスペイン選手の中に障害を偽装した健常者がいたことが発覚。このため2002年の冬の大会から知的障害者の競技を実施しないこととなった。


この問題解決のためIPCは障害の基準を明確にし、各国のNPCがきちんと実施しているかどうか、各国関係者のモラルが問われている。


障害者といっても傷害部位も程度も異なるため、障害の度合いに応じ平等に階級を分けた結果、100m競走などが幾つもの階級に分かれ、メダル数が多くなってしまった。数が多増えるとありがたみも薄れるのは人間社会の常だ。


そこでメダルの数が増えるのを防ぐため、階級を統合しようとすると傷害部位の差異をどう公平に判定するか別の問題が出てくる。


傷害の度合いに応じて選手に点数が加算(ハンディを付ける)たりする競技も作られた。