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2018年03月12日
「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(215) 平昌冬季パラが開幕!日本は2日間で銀2、銅1発進!

39日に開幕した、平昌2018パラリンピック冬季競技大会ですが、あっという間に競技も2日目を終えました。ここまで、日本はアルペンスキーで3個のメダルを獲得。18日の閉幕までの残り7日間で、目標の6個以上を達成できるか、日本からもどうぞ応援してください。


こちらのコラムでは、開会式を含め11日までの様子を私の感想なども盛り込みつつ、ダイジェストで振り返ってみます。


まず、9日夜8時から平昌オリンピックスタジアムで行われた開会式。大きな注目点の一つは「寒さ」だったでしょう。今大会への参加は史上最多となる49の国などから約570選手ですが、氷点下の気温が予測され、翌日から始まる競技への影響を考慮して、入場行進は各国の対応に任されていました。



 開会式が行われた平昌オリンピックスタジアム。競技会場としては使われず、18日の閉会式までは、聖火が静かに灯り続ける。(撮影:星野恭子)


そこで、本部役員も含め総勢86人の日本選手団からは31選手ら68名のみが行進。他国も同様だったと思われ、過去の大会に比べると人数的に少し寂しい印象はありましたが、客席全体に設置されたLEDライトを効果的に使い、円形のメインステージと客席を映像でつなぐ演出で、一体感とにぎやかさが表現されていたように思います。


日本はアルペンスキーの座って滑るクラスの村岡桃佳選手が務める旗手を先頭に、目に鮮やかなサンライズレッドのコートをまとい、33番目に登場。


「旗手としての一番の見せ場である開会式。日本チームの先頭を歩かせていただけるという緊張感を自信に変え、私の小さな背中が何倍も何十倍も大きく見えるよう、精一杯努めたい」と式前に語っていた村岡選手ですが、笑顔あふれる堂々とした行進ぶりでした。



旗手の村岡桃佳選手(アルペンスキー)を先頭に33番に入場。(撮影:吉村もと)


冬季パラリンピック初出場で注目された北朝鮮選手団は日本のすぐあとに入場。韓国との合同行進は見送られ、大きな歓声を浴びていました。一方、ドーピング問題で個人資(格での参加となったロシア選手が所属するNPA(中立のパラリンピック選手)チームがパラリンピックのシンボル「スリーアギトス」旗とともに入場した際は一瞬、間があってから拍手が沸いたように思いました。


しんがりの49番目は開催国の韓国選手団が入場し、残念ながら空席も目立った観客席からは精一杯の歓声が降り注ぎ、「お祭り」の幕開けを感じさせました。


さて、今大会は1998年の長野大会以来、アジア地域で開かれる冬季パラリンピックとしては20年ぶり。また、韓国にとっては1988年夏のソウル大会につづく30年ぶりのパラリンピックです。開会式会場では車いすユーザーの姿も目立っていた気がします。


また、パラリンピックの歴史からみても、今大会はひとつの節目。大会の原点とされる、車いす患者によるアーチェリー大会がイギリスのストーク・マンデビル病院で開かれた1948年から、ちょうど70年目にも当たります。


同病院で傷病兵のリハビリにスポーツを取り入れたルードヴィヒ・グットマン博士の言葉、「失われたものを数えるな。残された機能を最大限に使え」は今、パラリンピックを貫く精神となっていますが、開会式のクライマックスである聖火リレーの終盤にも反映されていました。急な上り階段をガイドとともに歩くブラインドスキーの手からトーチを手渡されたアイスホッケーの現役選手が義足でロープを伝って急坂を力強く上る姿はとても印象的でした。


競技スタート。銀メダル2個発進!


10日からはいよいよ競技がスタート。寒さが心配された今大会ですが、朝から青空が広がる好天で、2日前に降った雪も緩み、スキー競技には難しいコンディションに。私はクロスカントリースキーと射撃を組み合わせたバイアスロン競技の取材にでかけたのですが、気温上昇とともに刻々と変わる雪質に、スキーの滑走性を高めるワックスの選択もかなり困難な様子。声掛けによるガイドの先導を受け滑る視覚障がい選手を中心に、ザクザクの雪に足を取られ、バランスを崩したり、転倒する選手もみられました。


また、風も強く舞っていたようで、有力選手でもミスを重ねる厳しい状況のなか、日本選手は10発満射の阿部友里香選手やミス1発の佐藤圭一選手など実力を発揮していたように思います。



会場周辺には雪だるまの姿があちこちに。こちらは、平昌パラリンピックのマスコット、ツキノワグマの「バンダビ」を象った力作。気温上昇が少し心配・・・。(撮影:星野恭子)


そんな中、時速100kmを超える高速系種目の滑降が行われていたアルペンスキー会場からは朗報が続々。まず、前日、旗手の大役を務めた村岡選手が疲労も見せず、銀メダルを獲得。「開会式をテレビで観ながら競技のことを考えるより、旗手として参加したほうがかえってリラックスできる」と旗手の打診を快諾したという村岡選手。競技への影響の懸念を自ら払しょくする見事な滑りでした。


さらに、男子座位のエース、森井大輝選手も銀メダルを獲得! 念願の金メダルにはあと一歩届きませんでしたが、「ホッとした」のコメントが印象的でした。



10日に行われた格好で銀メダルを手にした森井大輝選手だが、11日のスーパー大回転では8位入賞。残り3種目で念願の金へ (撮影:吉村もと)


つづく競技2日目の11日は、さらに気温があがり、雪質もかなりべたべたな湿雪になり、「世界最強」の呼び声高い日本アルペン陣も苦戦気味。それでも、村岡選手が銅メダルを死守し、2日連続メダル獲得と好調を維持しています。


ということで、閉幕まであと1週間しかありません。引き続き、大きな声援をお願いします!


(文・取材:星野恭子)