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2018年02月05日
「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(211) ブラインドサッカーの公認国際大会が誕生。3月下旬の品川で6カ国が激突!
2020年東京パラリンピックが刻々と近づく中、またまた興味深いパラスポーツの国際大会の日本での開催が決まりました。ブラインドサッカーの国際公認大会、「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ」大会で、2020年東京パラリンピックでのメダル獲得を目指す日本代表の強化とブラインドサッカーの国際的普及を目的に新設されました。

2020年まで3年連続で東京都内での開催が予定されており、初年度となる今年の「2018大会」は日本代表が世界強豪5カ国を迎え、3 月21 日(水・祝)~25 日(日)まで5日間の日程で品川区立天王洲公園を舞台に行われます。

「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ2018 大会大会」ポスター (提供:日本ブラインドサッカー協会)

それに先駆けて1月31日には組み合わせ抽選会が行われ、世界ランク8位の日本はA組に入り、トルコ(同5位)、イングランド(同16位)と同組となり、もう一方のB組はアルゼンチン(同2位)、ロシア(同14位)、コートジボワール(ランク外)となりました。

大会は総当りのグループリーグを経て、各組3位が5位決定戦へ、同2位が3位決定戦へ、同1位が決勝に進出します。3月21日午後2時からの開幕戦は、日本対イングランド戦となることも決まりました。

参加国の顔ぶれを紹介すると、まず日本が開幕戦を戦うイングランドは常に世界上位の強豪で、2017年の欧州選手権では3位で、日本は昨年夏に英国遠征で互角以上の戦績を収めています。トルコも同選手権5位と力があります。アルゼンチンは昨年11月のパンアメリカ大会で、パラリンピック4連覇中の絶対王者ブラジルを倒して優勝し、勢いがあります。ロシアも欧州選手権1位となるなど躍進中。こちらも見応えがありそうです。コートジボアールはブラインドサッカー歴としては浅く、未知数とのことですが、アフリカ大陸チームでもあり、どんなサッカーを見せるのか、楽しみなところがあります。

「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ大会」組み合わせ抽選会より。左から、日本代表の高田敏志監督、川村怜キャプテン、大会アンバサダー兼日本障がい者サッカー連盟の北澤豪会長 (撮影:星野恭子)

2015年から日本代表を率いる高田敏志監督は、「非常にいい相手で楽しみ。攻撃的にいって点を取り、最後には相手より1点多く取って勝つチームをつくりたい。観る人も面白い、やっている選手も面白い興奮する試合をしたい」と意気込みを語りました。

川村怜(りょう)キャプテンは、「どの国が来ても強豪国なので、楽しみです。アルゼンチンと決勝で当たり、優勝できるようがんばりたい」と力強く目標を口にしています。

大会アンバサダーであり、日本障がい者サッカー連盟の北澤豪会長は、「また、感動できる大会がやってきたな、と思う。『見えてるんじゃないの?』と驚かされるプレーも見られるはず。大陸が変わるとサッカーのスタイルも変わるので、『世界のブラインドサッカー』を体感するのに最適の大会。一人でも多くの人に観戦してほしい」と大会をピーアール。

さて、日本はどんな戦いを見せてくれるでしょうか? 日本は2016年リオパラリンピックの出場権を逃して以降、高田監督のもと、定評ある守備力をベースに前線から積極的にボールを奪ってゴールを狙う攻撃的なサッカースタイルへと変化の途上にあります。

初制覇を目指して臨んだ昨年12月のアジア選手権では、まさかの5位に終わったものの、2020年東京パラリンピックでのメダル獲得を目指し、前を向いて強化を進めています。そのさなかで、国内で強豪国と相まみえることのできるグランプリ大会開催となります。

高田監督はアジア選手権の結果からつかんだ手ごたえと課題を踏まえたうえで、「目指すサッカー自体が変化しているし、選手もプレーモデルに対応しつつある。(今大会は)全部勝つつもりで頑張りたい」と大会での目標を語るとともに、「2020年に向けて日本代表がどういう道に進もうとしているのか、まだ道の途中なので、今大会『点』で観るとともに、日本代表がこの先どうなっていくのか『線』でも観て、選手の成長をみてほしい」と、成長途中であることも強調していました。

エースとして得点の期待もかかる川村キャプテンも、「ホーム(ゲーム)だし、攻撃的に戦って勝利につなげたい」と意気込みます。

北澤会長も、攻撃的サッカーはリスクもあり、勇気を伴うものであるとし、「アジア選手権での敗退が注目されているが、日本は(自分たちの)サッカーを変えた。今大会では(以前の)日本代表とは違った攻撃的な日本代表が見られるのではないかと期待している」とエールを送っています。

なお、大会は会場となる天王洲公園に特設スタンドを設置し、有料制で行われます。チケット(指定席2000円、自由席1500円)は2月10日より販売される予定です。

パラスポーツの大会が有料制で行われることはまだ少ないですが、主催する日本ブラインドサッカー協会の松崎英吾事務局長によれば、同協会では2014年に東京・渋谷区で開催した2014年世界選手権など徐々に有料大会開催を少しずつ取り入れています。

現時点ではチケット売り上げによる利益体質にはなっていないものの、「この先3年間かけて、『お金を払って障がい者スポーツをみてもらう』ことにもチャレンジする大会だと思っている」と、チケット制の意義を説明しています。たしかに、2020年東京パラリンピックはどの競技も観戦有料ですから、有意義な取り組みであると言えると思います。

もうひとつ、ブラインドサッカーは「音」を頼りにプレーするので、観客には「黙って見守ること」が求められる、一般的なスポーツ観戦マナーとはちょっと異なります。試合を楽しみながら、かつ独特なマナーを身につけるには現場経験が欠かせません。

北澤会長は、「まずは見に来てほしい。説明するより、見てもらうことで分かる。静かに見ながら、得点シーンでは絶叫するなど抑揚をつけてほしい。観る側もがんばって」とエール。

高田監督は、「思わず声がでてしまいそうになる、今までのブラインドサッカーにはなかったパス交換など、『そんなプレーができるの?』といったところもみてほしい」とアピールしています。

ということで、2020年東京パラリピックをより楽しむためにも、ブラインドサッカーグランプリ大会の観戦、お勧めします。世界クラスの「技」を目の当たりにできるチャンス!です。

<IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2018>
日程: 2018年3 月21 日(水・祝)〜3 月25 日(日)
開幕試合: 日本―イングランド 14時キックオフ
会場: 品川区立天王洲公園
公式サイト: http://www.wgp-blindfootball.com/
前売りチケット:メイン指定席 2000円/自由席 1500円
チケット販売情報: http://www.wgp-blindfootball.com/#13

(文・取材:星野恭子)