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2017年08月28日
「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(193) 開幕まで、待ったなし! 東京2020パラ、3年前記念イベント開催!
皆さん、「8月25日」は何の日か、ご存知でしょうか?  はい、3年後のこの日は、東京2020パラリンピックの開会式が行われる日です。そして、それを記念して2014年には、「パラスポーツの日」と認定されています。
ということで、先週金曜日の8月25日にはアーバンドックららぽーと豊洲(東京都江東区)で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と東京都の主催による記念イベントが開催されました。その名も、「あと3年で開幕!!!東京2020パラリンピックカウントダウンイベント ~みんなのTokyo 2020 3Years to Go!~」。2020大会成功に向けて、まだまだ認知度の低いパラリンピックを知って、楽しんでもらうこと目指し、2部制で行われました。


↑前列左から、照英さん(司会/タレント)、田口亜希選手(射撃)、長島理選手(バドミントン、三浦浩選手(パワーリフティング)、後列左から伊藤力選手(テコンドー)、芦田
創選手(陸上)、加藤健人選手(5人制サッカー)、木村敬一選手(水泳)、河合純一選手(水泳)/写真提供:©Tokyo 2020

第1部のオープニングセレモニーでは8名のパラアスリートが登壇したほか、まず、小池百合子東京都知事が、「障害のある人もない人も誰もが参加できる素晴らしい大会にできるよう、オールジャパン体制で準備したい」と語り、鈴木俊一東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣は、「パラリンピックの成功が東京2020大会成功の鍵。これから3年間、大会機運の醸成に努めたいし、スポーツを通して触れ合うことで、障害や障害者に対する日本人の考え方や日本社会の在り方をまったく新しいステージへと引きあげる3年間となるだろう」と大会への期待を語りました。

つづいて、ブラインドサッカーとも呼ばれる5人制サッカー日本代表、加藤健人選手によるデモンストレーションが行われました。加藤選手は競技について、「見えない分、音と声と感覚でやるサッカー。その分、見える人と見えない人が一緒になって声を掛け合い、ゴールを守ったり奪ったりするところが魅力。
プレイのコツは、音や声を頼りに、頭のなかに周囲の状況をイメージしながら、プレイする。音を聞くのでなく、観る感覚」とアピール。そして、鉛入りで転がると音が鳴る特製のボールと仲間の声を頼りに、華麗なシュートをゴールに突き刺し、会場からは大きな拍手が!


↑5人制サッカー(ブラインドサッカー)日本代表、加藤健人選手がステージ上で華麗なシュート!/写真提供:©Tokyo 2020

また、小池都知事と鈴木大臣もアイマスクをつけ、ブラインドサッカー選手の気持ちを体験。「思ったより、(ボールの)音は小さいですね」と鈴木大臣が感想を話せば、「会場がにぎやかだと聞こえないですね」とコメント。加藤選手は、「観戦のときは静かに見て、ゴールが決まったら、思い切り盛り上がってほしい」と観戦マナーについても強調していました。
最後に選手を代表して、陸上競技の芦田創(はじむ)選手が、「早いもので大会まで、もう3年。残り3年、瞬間瞬間を大切に、最高の準備をして東京大会を迎えたい。皆さん、一緒に盛り上がっていきましょう」と語り掛け、第1部は終了しました。


↑リオパラリンピック陸上銅メダリストの芦田創選手が決意表明。「瞬間瞬間を大切に、最高の準備したい」/写真提供:©Tokyo 2020

第2部は、アスリート8名が主役の「スペシャルイベント」。競技のデモンストレーションやクイズ、トークショーなどで、各選手や競技の魅力に迫るものでした。たとえば、2020大会から正式競技となるバドミントンの車いすクラスの長島理選手が得意技の、「ハイバック」を披露。ネットに背を向けたまま相手コートに打ち込む技で、世界でも使いこなせる選手は少ないそうです。「追い込まれたときに使う、必殺技」と長島選手は話します。
また、第1部で陸上・走り幅跳びの日本記録(7m15)をもつ芦田選手。5歳で右腕に腫瘍を発症し、成長が止まってしまったため、右腕は左に比べ2kgも軽いそうです。そのため、走り幅跳びではいかにバランスよく体を使うかが課題であり、「助走と空中テクニック」を工夫しているといいます。
「右腕は付属品でしかない」と話す芦田選手は、助走では腕振りでなく、両肩をバランスよく振る「肩振り」を意識し、空中では無意識に跳ぶと、重量の重い左に傾いてしまうので、右足を外に放り出すようにしてバランスよい空中姿勢をつくるようにしている、という、芦田選手ならでは工夫を披露していました。

パラアスリートは自身の障害と向き合い、さまざまな工夫に取り組むことで競技を行っています。芦田選手のパフォーマンスは、そんなことを伝えてくれるものでした。
他にも、パラリンピッククイズやパラパワーリフターの三浦浩選手のデモンストレーションなど第2部は盛りだくさんな内容でした。その模様はすべて動画に収録されていて、ブラインドサッカーの特別動画と合わせ、9月6日(水)から東京2020組織委員会の公式サイトで公開される予定とのことです。個性豊かなパラアスリートの素顔の魅力や、パラリンピックに関する豆知識なども学べます。よかったら、アクセスしてみてください!(http://tokyo2020.jp/jp/special/3yearstogo-para)

最後に、各選手が東京2020大会への抱負を語りました。
芦田創選手(陸上 メダリスト/リオ2016大会): リオとロンドン世界選手権(2017)で銅メダル獲得。もう一段階上げて、東京では金メダルを目指したい。
伊藤 力(テコンドー): 東京から初採用の競技。初代チャンピオンを目指したいし、その前に、国内での認知度も上げたい。
加藤健人(5人制サッカー): 日本代表は東京大会が初出場になる。まず今年、アジアで1位、来
年の世界選手権でベスト4以上になれれば、2020でのメダルが見えてくると思う。
木村敬一選手(水泳 メダリスト/北京2008大会・ロンドン2012大会・リオ2016大会): 選手層も厚くして、「日本の水泳陣は強かった」と言われるように、がんばりたい。
長島理選手(バドミントン): 東京大会から初採用競技のバドミントン。厳しい戦いになるが、まずは出場権を得るようがんばり、メダル獲得を目指したい。
三浦浩選手(パワーリフティング/ロンドン2012大会・リオ2016大会): 体重の3倍のバーベル
を挙げられるよう、努力したい。
河合純一東京2020組織委員会アスリート委員(水泳 メダリスト/バルセロナ1992大会・アトラン
タ1996大会・シドニー2000大会・アテネ2004大会・北京2008大会): 現役選手ではないが、アスリート委員として、選手皆がいい環境で競技ができるよう、サポートしたい。2020年のパラリンピックがゴールではなく、その先も誰もがスポーツを楽しめる社会をつくれるようがんばりたい。
田口亜希東京2020組織委員会アスリート委員(射撃/アテネ2004大会・北京2008大会・ロンドン2012大会): 応援は選手の大きな力になる。3年後の会場満員化も目標ですが、その前にいろいろな大会観戦をして、選手やルールを覚えて、2020年への準備をしてほしい。
あと3年・・・。パラリンピックのピーアールも待ったなしです。過去6大会に出場し、金5個を含む21個のメダルを獲得したレジェンド、河合選手(水泳)は、「パラリンピック選手の個性豊かなところも魅力だし、パラリンピックは可能性を見るスポーツ。選手のもっている可能性がどこまでなのか想像力をかきたて、皆さんの感じる心でみると、パラリンピックはもっと楽しめるの」と見どころを語ってくれました。今回のイベントは個性豊かな選手の横顔も垣間見られ、いいアピールになったのではと思います。

鈴木大臣が、「パラリンピック競技はまだあまり知られていないが、実際に見ると素晴らしいパフォーマンスで、皆ファンになると思う。もっと触れる機会をつくっていきたい」と話していましたが、大会観戦などもその一つ。こちらのコラムでも、どんどん紹介していきますので、パラリンピック競技や選手への応援、どうぞよろしくお願いします。

(文:星野恭子)