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2017年05月08日
「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」 (179)女子ブラインドサッカー初の国際大会で、日本代表が初代女王に!
春の大型連休は、さまざまなパラスポーツイベントで盛り上がりました。一進一退の攻防で大接戦の末、宮城MAXがNo Excuse(東京)を下し、前人未到の9連覇を飾った車椅子バスケットボールの日本選手権(5/3-5/東京体育館)や、東京2020パラリンピック競技体験イベント「ノーリミッツスペシャル2017上野」(5/6-7/東京・上野公園)など、多くの来場者でかなりの賑わいを見せました。

そんななか、海外からも嬉しいニュースが届いています。5月6日、オーストリア・ウィーンで開かれた「IBSA 女子ブラインドサッカートーナメント2017」で日本代表が優勝を果たしました。同大会は、国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)が史上初めて女子選手を対象に主催したブラインドサッカーの国際大会で、日本はIBSA選抜を1-0で下し、初代女王の座を手にしたのです。


「IBSA 女子ブラインドサッカートーナメント2017」で初代女王に輝いた、日本女子代表 (写真提供:日本ブラインドサッカー協会)

同トーナメントは、日本代表のほか、イングランド・ギリシャ選抜チーム、ロシア・カナダ選抜チーム、IBSA 選抜チーム(上記以外の混成)の4 チームによる総当たりのリーグ戦を行い、3戦全勝で予選1位の日本と、同2位(2勝1敗)のIBSA選抜チームが決勝に進出。3位決定戦ではイングランド・ギリシャ選抜チームがPK戦の末1-0でロシア・カナダ選抜チームに勝利しています。

今年4月1日に結成されたばかりの日本代表を率いた村上重雄監督は、「初の女子国際大会で勝利することができて、心から嬉しい。だが、ここからが本当のスタート。さらにトレーニングを重ねて世界一を守っていきたい」と力強くコメント。

また、日本にとって値千金の決勝ゴールは後半、14歳のエースストライカー、菊島宙(きくしま・そら)選手が放ちました。「決勝戦でなかなか点が取れなくて悔しいと思っていたが、最後に取れてとっても嬉しかったです。みんなが支えてくれたから取れたんだと思います。嬉しくてたまりません」

今大会に向けた国内合宿(4/1-2)でも、「絶対に優勝したい」と意気込んでいた菊島選手については、ノーボーダースポーツ 4月17日付の記事(『ブラインドサッカー女子日本代表が誕生。初の国際大会に向け、4/22に都内で壮行会開催へ!』)でもご紹介していますが、一般のサッカーで培った技術とスピードに、当たり負けしない闘志あふれるプレイが魅力。全4試合で大会最多となる全6得点の大活躍で、鮮烈な国際戦デビューを果たしました。海外のライバルたちに、さぞかし大きなインパクトを与えたことでしょう。


「IBSA 女子ブラインドサッカートーナメント2017」で決勝ゴールを決めた菊島宙選手(青)は大会最多6得点を挙げた (写真提供:日本ブラインドサッカー協会)

なお、IBSAによれば、同トーナメントは世界各地の女子選手や審判らの技術向上や交流などを目的に5月4日から開催されていた「女子ブラインドサッカー・トレーニングキャンプ」の一環で行われました。同キャンプには16カ国(オーストリア、ベルギー、チェコ、イングランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、ポルトガル、ロシア、スペイン、スウェーデン、トルコ、カナダ、メキシコ、日本)から選手60名を含む、全74名が2日間にわたる合同練習などに参加したそうです。

そのうち、日本ブラインドサッカー協会が派遣したのは選手8名、スタッフ7名で、全参加者の約2割を占める、“先進国”。トーナメントでも単独でのチーム編成は日本だけでした。これは、国内で地道に普及・強化を図ってきた成果でしょう。

日本代表主将で、約10年の競技歴がある原舞香選手は以前、「始めた当初は日本に女子2人しかいない状況で、男子に混じってプレイしていました。10年後に女子だけのチームができるくらいになって嬉しい」と話しており、今回の優勝に際しては、「もう、最高な気持ちです。ブラインドサッカーを始めた頃は、まさか女子の世界大会に出られる日が来るとは夢にも思いませんでした」と喜びを語っています。

逆にいえば、世界ではまだ女子選手の数が少なく、もしかしたら、スポーツを楽しむ環境も男子に比べ、女子にはまだ厳しい状況にある国も多いのかもしれません。実際、現時点でのパラリンピックではブラインドサッカーは男子のみの実施になっています。今トーナメントが実現したことで、いずれは女子もパラリンピックへと夢は広がりますが、まずはその第一歩。日本チームのさらなる活躍とともに、世界でも女子のスポーツ環境整備が進み、選手も増え、女子のブラインドサッカーがより大きく発展することを期待したいと思います。

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(文:星野恭子)